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こんにちは、カラス好きな元図書館司書のCieloです。本日はブログをご覧いただき、ありがとうございます。

さて、つい最近奇襲戦法限定の対策本が出てきたのをご存知でしょうか?そんな一風変わったテーマを扱った将棋本を今回は紹介したいと思います。それは、著:本間博さんのこれで万全!奇襲破り事典 です。

本書の奇襲対策は以下の戦法になります。

1.鬼殺し
2.新鬼殺し
3.急戦石田流
4.先手番早石田
5.パックマン戦法
6.筋違い角戦法
7.嬉野流
(゚ロ゚;)エェッ!?
8.超急戦棒銀
9.後手番角頭歩
10.端角中飛車


なんと嬉野流対策が入っているのです。嬉野流以外にも気になる点は多数ありますが、今回は対嬉野流の記述に絞って紹介していきたいと思います。

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~嬉野流対策の決定版?~
まずこちらの本に記載されている嬉野流については、「奇襲研究所」にて解説されている嬉野流になります。なので先手番嬉野流を固定として、3手目引き角までをセットにした局面からのスタートになります。

その局面から本書では、

1.飛先を交換して8八歩と打たれた局面で飛車を引かない指し方
2.単に中飛車にして作戦勝ちを狙う差し方

上記2点を紹介しています。

1.に関しては、奇襲研究所にて著者の天野さんも「厄介」としていた指し方で、嬉野流側が左銀を活用しようと5六歩と突くと飛車で歩を取られてしまいます。ここまでは「奇襲研究所」でも想定範囲内の指し方なのですが、ここから本書独自の対策が出てきます。主に嬉野流側の左銀を活用させにくくする対策となっており、嬉野流側は定跡手順だけ指していては簡単に不利になります

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2.に関して言えば、正直なところ「うーん・・・」といった感じですΣ( ̄ロ ̄|||)
といいますのも、

・嬉野流側が中飛車に対して居玉
・早々に美濃に囲っている中飛車に対し、居玉で鳥刺しを続行している
・中飛車の態度を示している相手に対し、玉を囲う前に右金を早急に5八に上がっている


というこの3点がどうにも気になるのです。「奇襲研究所」に記載されている対中飛車定跡では確かに居玉の変化が載っているものの、実戦において中飛車に対して居玉というのは非常にリスキーです。また、右金を早急に5八へ上がるというのは、

・飛車の横効きを消す
・振り飛車にできない

・中飛車側に5筋の歩交換をされた場合、たらしの歩やたたきの歩の筋が生じる

と嬉野流の強みを消しているだけでなく、相手に攻めのきっかけを渡してしまい、結果簡単に主導権を渡してしまうことになりかねません。なので、本書を読んでいて、

「嬉野流側はリスキーな鳥刺しを貫くくらいなら、相中飛車にして対抗した方が良いのでは?」と思ってしまうのです。

嬉野流は相手によって居飛車、振り飛車を分けられる事も強みなので、中飛車の項目に関しましては「選択局面があまり良くないかな?」と正直に申し上げます。

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~嬉野流使いから見た本書の評価~

1.に関しては確かに厄介な対策だと思いました。実は本書の変化は実戦でもやられた事があり、左銀をさばこうと苦慮しているうちに作戦負けしてしまった苦い思い出があるので効果は十分でしょう。ただ、最近登場した「新嬉野流」と呼ばれる指し方に対しては使えないので(8八歩を打たないので)そこだけは注意が必要かと思われます。

2.に関しては、局面があまりに中飛車側に都合が良すぎるので、こちらはあまり参考にはならないかもしれません。鳥刺し対中飛車の構図として見ても、やはり先手鳥刺し側の居玉のまま5八金右がマイナスすぎて駄目かなと思いました。

それでは、今回はこのあたりで失礼します!


これで万全!奇襲破り事典 (マイナビ将棋BOOKS) [ 本間博 ]


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